あたりめは、噛みごたえがあり、たんぱく質を含む乾燥イカのおつまみです。「ダイエット中のおやつをあたりめに変えれば痩せる?」「食べ過ぎや体臭は大丈夫?」と気になる方もいるでしょう。
結論からいうと、あたりめ自体に体脂肪を減らす特別な作用が確認されているわけではありません。 ただし、いつもの間食の種類や量を見直す際には、選択肢の一つになります。反対に、コレステロールや食塩相当量、硬さには注意が必要です。
この記事では、文部科学省の食品成分データなどを参考に、するめ(あたりめ)の栄養成分、取り入れ方、口臭・体臭への影響、注意したい人を整理します。
あたりめダイエットとは?食べるだけで痩せるわけではない
一般に「あたりめ」は、イカを乾燥させた「するめ」を指します。「するめ」と「あたりめ」を、別々のダイエット食品と考える必要はありません。
いわゆる「あたりめダイエット」は、菓子などの間食をあたりめに替える食べ方を指すことが多いようです。ただし、あたりめを追加して食べれば痩せる、という意味ではありません。 体重管理には、食事全体の量や内容、活動量、生活習慣などを含めて考えることが大切です。
例えば、普段の間食を見直した結果、1日のエネルギー摂取量が無理なく減ることは考えられます。一方、食事や間食を変えずにあたりめを追加すれば、その分のエネルギーも加わります。
あたりめ(するめ)のカロリー・たんぱく質・糖質
文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」にある「(いか類)加工品・するめ」の値を、食べる量に合わせて換算しました。
| 栄養成分 | 10g当たり | 20g当たり | 100g当たり |
|---|---|---|---|
| エネルギー | 約30kcal | 約61kcal | 304kcal |
| たんぱく質 | 約6.9g | 約13.8g | 69.2g |
| 脂質 | 約0.4g | 約0.9g | 4.3g |
| 炭水化物 | 約0.04g | 約0.08g | 0.4g |
| 食塩相当量 | 約0.23g | 約0.46g | 2.3g |
| コレステロール | 約98mg | 約196mg | 980mg |
出典:文部科学省「食品成分データベース:するめ」。10g・20gの値は100g当たりから計算した概算です。数値は標準的な食品の目安であり、実際の商品は原材料や味付けによって異なります。
20gなら約61kcal。ただし「食べ放題」ではない
100g当たり304kcalなので、重量当たりで特別に低カロリーというわけではありません。一方、少量を食べるなら、摂取するエネルギーは比較的小さくなります。
大切なのは「何切れ食べたか」ではなく「何g食べたか」です。製品によって1切れの大きさが違うため、商品の内容量と栄養成分表示を確認しましょう。
たんぱく質は豊富でも、するめだけで栄養は整わない
20g当たりのたんぱく質は約13.8gです。たんぱく質は体を構成する大切な栄養素ですが、するめを食べるだけで筋肉が増えたり、体脂肪が減ったりするわけではありません。
また、するめだけでは食物繊維や野菜に含まれる栄養素などを十分に補えません。食事をするめだけに置き換える方法は避け、主食・主菜・副菜を含む食生活を基本にしましょう。
あたりめはダイエット中の間食に向いている?
あたりめの特徴は、少量でたんぱく質が摂れ、噛みごたえがあることです。甘い菓子やスナック菓子以外の間食を探している人には、候補の一つになるでしょう。
厚生労働省の情報では、食べる速さと肥満には関連があり、ゆっくりよく噛んで食べる習慣が健康づくりに役立つ可能性が示されています。ただし、これはあたりめを噛めば痩せるという証明ではありません。研究には限界があり、食欲や満足感の変化にも個人差があります。
食べる量とタイミングは?
まずは少量で、間食全体のバランスを見る
あたりめについて、ダイエットのために「毎日必ず20〜30g食べる」といった公的な推奨量はありません。
10gや20gは栄養成分を考えるための例であって、誰にでも勧める1日の摂取量ではありません。 たとえ20gでもコレステロールは約196mg含まれるため、健康状態によっては適さない場合があります。
間食を選ぶ際は、あたりめ以外のお菓子や飲み物も含めて、1日の食事全体とのバランスを見ましょう。厚生労働省の「お菓子や間食の取り入れ方」でも、間食だけで食事の多くを占めないようにする考え方が示されています。
朝・昼・夜のどの時間がよい?
あたりめを食べるだけで痩せやすくなる特定の時間帯は、確認されていません。「食事の15〜20分前に食べると必ず食事量が減る」といった方法も、あたりめ固有の確立した効果としては説明できません。
間食が必要なときに、無理なく食べられる量を選ぶことを優先しましょう。寝る直前などに食べる場合は、歯みがきや口腔ケアのことも考慮してください。
あたりめを食べると口臭や体臭が強くなる?
食べた直後に口の中ににおいが残ることはある
あたりめは乾燥したイカ特有のにおいがある食品です。食べた直後は、そのにおいが口の中に残ることがあります。気になるときは、水を飲んだり、食後に歯みがきなどの口腔ケアをしたりするとよいでしょう。
ただし、長く続く口臭の原因をすべてあたりめのせいにするのは適切ではありません。厚生労働省の情報では、口臭の主な原因として舌苔や歯周病などが挙げられています。口臭が続く場合は歯科で相談してください。
あたりめが体臭を強めるとは断定できない
「あたりめを食べるとアミンの作用で体臭が強くなる」「よく噛めば体臭を防げる」という説明を裏付ける、十分な信頼性のある資料は確認できませんでした。
食べた直後の口のにおいと、全身から出る体臭は分けて考える必要があります。体臭が気になる場合も、あたりめだけを原因と決めつけないようにしましょう。
あたりめのコレステロールは多い?
するめは、20g当たり約196mgのコレステロールを含みます。これは「無視できるほど少ない量」ではありません。
一方、食品に含まれるコレステロールと血液中のLDLコレステロールは同じものではなく、食事に対する反応にも個人差があります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、健康な人に一律の摂取上限は設定されていません。
ただし、高LDLコレステロール血症など脂質異常症の重症化予防では、食事由来コレステロールを1日200mg未満にすることが望ましいとされています。するめ20gだけで約196mgになるため、該当する人は普段の食事全体も含め、医師や管理栄養士に確認してください。
なお、「乾燥すると生のイカのコレステロールが4倍に増える」と単純に説明するのは不正確です。乾燥で水分が減れば、同じ100gを比べたときの栄養成分の濃度が変わります。実際に食べる重量で考えましょう。
塩分・硬さ・アレルギーにも注意
食塩相当量は商品によって違う
食品成分表のするめは20g当たり食塩相当量が約0.46gです。味付けタイプや調味料をつける食べ方では、さらに増える場合があります。
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の食塩摂取目標量は、成人男性7.5g未満、成人女性6.5g未満です。高血圧などで減塩指導を受けている人は、個別の指示を優先してください。
硬くて噛みにくい場合は無理をしない
あたりめは硬い食品です。歯やあごに痛みがある人、噛む力や飲み込む力が弱い人には向かない場合があります。大きなまま急いで飲み込まず、無理に食べないでください。
イカにアレルギーがある人は避ける
あたりめの原料はイカです。イカにアレルギーがある人は食べないでください。加工品を購入するときは、原材料やアレルギー表示も確認しましょう。
あたりめ・するめ・さきいかの選び方
あたりめとするめは、基本的には同じ乾燥イカを指す名称です。一方、さきいかや味付きイカ製品は、製法や味付けが異なることがあります。
ダイエット中に選ぶ場合は、名称だけで判断せず、パッケージで次の3点を見比べてください。
- 内容量:1袋が何gなのか。
- 栄養成分表示:1袋または100g当たりのエネルギー・たんぱく質・食塩相当量。
- 原材料と味付け:砂糖や調味料の使用、アレルギー表示。
「無添加だから必ず痩せる」「さきいかはすべてダイエットに不向き」といった単純な判断は避け、実際の商品を比べることが大切です。
よくある質問
あたりめを毎日食べてもよい?
すべての人に共通する「毎日何gまで」という基準はありません。とくにコレステロールや食塩の制限が必要な人は注意が必要です。毎日食べることを前提にせず、間食の選択肢の一つとして考えましょう。
あたりめをたくさん噛むと小顔になる?
あたりめを噛むだけで顔の脂肪が落ちたり、フェイスラインが細くなったりするという十分な根拠はありません。歯やあごが疲れるほど噛み続けることは避けてください。
あたりめだけで食事を済ませてもよい?
おすすめしません。たんぱく質は摂れても、必要なエネルギーや他の栄養素をバランスよく補えません。食事の置き換えではなく、必要に応じた間食として考えてください。
まとめ:あたりめは「痩せる食品」ではなく、間食の選択肢
あたりめ(するめ)は20gで約61kcal、たんぱく質約13.8gを含む食品です。ただし、同じ20gにはコレステロール約196mg、食塩相当量約0.46gも含まれます。
ダイエット中に取り入れるなら、あたりめを食べること自体を目標にせず、普段の間食をどう選ぶかという視点で考えましょう。体脂肪を直接減らす、小顔になる、体臭が改善するといった根拠の不十分な効果は期待しないことが大切です。
健康状態に合わせて量を判断し、毎日の食事全体のバランスを優先してください。
この記事は、公的機関が公開する栄養・健康情報を基に作成した一般向けの解説です。個別の診断・治療や栄養指導に代わるものではありません。脂質異常症、腎臓病、食物アレルギーなどがある場合は、担当の医療専門職に相談してください。
